最近、映画の入場者特典やBlu-ray特典としてフィルムを4コマ~5コマに切ったものが配布されることが増えてきました。
自分も諸事情ありラブライブのフィルムを3枚も入手しましたので、自宅のプリンタ複合機(Canon PIXUS MP990)でスキャンして印刷してみました。

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※フィルムスキャン対応のプリンタ複合機について
フィルムスキャンが可能なスキャナ付きのプリンタ複合機は現行機種にはありません。
まず、フィルムスキャンは技術的にCCD方式のスキャナでないとできません。しかし最近のプリンタ複合機のスキャナは全てCIS方式のため、フィルムスキャン機能はついていません。
(Canonは2011年頃、
EPSONは2007年頃にCCDスキャナ搭載機種が無くなったようです。)
スキャナ単独のものであれば、EPSONにもCanonにもフィルム対応機はまだありますが、お高いです。
CIS方式でフィルム対応のスキャナも過去にはあったようです。

現実的には、映画の特典フィルムをスキャンするだけであればフィルムスキャナ専用機を買うのがベストでしょう。
Amazonで5000円くらいで売ってるものでも、映画の特典フィルムがスキャンできるみたいです。もしくはフィルムの現像サービスをやっているお店に持っていくか。

もし家にフィルムスキャン対応のプリンタ複合機がある場合は、追加投資なしでスキャンできますので試してみると良いと思います。


・スキャンしてみる
というわけで、今では貴重らしいフィルムスキャン対応プリンタ複合機が家にありますので、映画の特典フィルムをスキャンをしてみました。
使ったのは冒頭にも書いたとおりCanonのMP990。2009年夏のモデルです。

まずはフィルムをスキャナにセットします。
方法は機種によって違うと思うのでマニュアル参照。
くれぐれもフィルムの扱いには注意してください。小さなホコリでも目立ちます。





映画フィルムは、幅は写真フィルムと同じで35mmですがコマの入り方が違い、写真フィルム1コマ分の場所に映画フィルムは2コマ入っています。写真6コマ分のホルダーであれば映画12コマを1度にスキャンできます。
ラブライブの映画フィルムは4コマ分のため3枚収まりますが、他の映画のほとんど(まどマギやけいおん、アイマスやハルヒなど)は5コマらしいので、2枚しか収まりません。
そもそも同じ映画の特典フィルムを何枚も持ってるのがおかしいわけですが。

MP990では、フィルムに限ってはプリンタ本体の操作でできるのは直接印刷のみ(USBメモリやSDカードに保存するのは不可)なので、画像として保存したいのであればPCから操作する必要があります。
今回はMP Navigator EXからスキャナドライバ(ScanGear)を起動し、拡張モードを使用しました。詳しくはマニュアルを。



↑スキャナドライバの拡張モードでプレビュー(プレスキャン)してみたところ。
設定は35mmフィルムカラーポジフィルム
見ての通り、1枚の画像に2コマ入っています。これは前述の写真用と映画用のフィルムの違いのためです。

このプレビューの段階で、スキャン領域が設定されるようです。1枚1枚設定するようで、「入力設定」のところのサイズがそれぞれ違います。よく見ると、黒い余白の入り方が6枚で微妙に違うのがわかると思います。
この影響で、特に5枚目6枚目が顕著ですが、コマごとの縦幅(映像での横幅)が違うように見えます。そもそも5枚目と6枚目ではスキャン領域が違うためで、実際に画像化してトリミングすると同じサイズ(ピクセル数)になってますので、問題無いです。
また、1枚目と2枚目の左端(映像での上辺)や4枚目~6枚目の右端(映像での下辺)がはみ出ています。色々弄ってみましたが、一旦領域が設定されるとどうしようもないです。ホルダ上のフィルムの位置を微調整すれば全体が入るように読んでくれることもありますが、12コマ全部が一度に入るようにするのはほぼ不可能です。2コマに1コマはほぼ必ず欠けずに入りますので、全コマスキャンしたい場合は何回かに分けるのが良いでしょう。

また上辺(映像基準では右辺)がはみ出ているようです。そもそもフィルムホルダーに映像コマ部分がコンマ数ミリほど隠れているため、どうしようもないです。

スキャン設定ですが、解像度はとりあえず選べる最高の4800dpiにしてみました。
映像部分をFullHDに仕上げるには1500dpiくらい…?
その他の設定は、当たり前ですが写真用のスキャナなので、アニメの映画フィルムには最適化されてないはずです。スキャンしてから画像加工ソフトで調整したほうがいい気がします。

あとはスキャンボタンを押して放置するだけです。設定によりますが、4800dpiで6枚分だと1時間ほどかかりました。その後保存操作をすれば画像ファイルが出てきます。
画像ファイルの形式はJPEG、TIFF、BMPが選べますのでお好みで。



画像が出力できたら、クロップ(トリミング?)したり色を調整したりして完成です。

ホルダに映像が隠れていてコンマ数ミリの領域がスキャンできないのが残念ですが、肉眼より圧倒的に綺麗だし細かい部分まで見れますので、満足です。
当時はフィルムスキャンのことは考えずに最上位機種を買ったのですが、正解でした。

・印刷してみる
アニメ映画は基本的に16:9です。通常の写真用紙(L判やKGサイズ、六切サイズなど)で印刷すると、当然上下に余白ができるか、左右が欠けます。
登場キャラが中心にいるようなフィルムなら左右を切ればいいんですが、今回のように1枚に複数人写ってたりすると全領域をプリントしたいわけです。
そこで探してみると、ハイビジョンサイズなる光沢写真用紙をEPSONが出してることを発見。102×181mmでほぼ16:9。ヨドバシで20枚781円。早速買ってきました。
ちなみにCanonにも過去にワイドサイズ(101.6×180.6mm)の用紙があったがすでに生産終了、他のメーカーにもありません。
CanonのプリンタでEPSONの用紙に印刷することになるけど仕方ないです。




短辺はKGサイズと同じ、長辺は2Lサイズとほぼ同じと、かなり大きいです。
仮にFullHDサイズ(1920×1080)の画像を印刷するとすると270dpi程度。

フィルムスキャンして編集した画像を印刷するとこんな感じ。



(PASMOは大きさ比較用。下の紙はA4×2枚でA3サイズ。)
印刷はスキャンと同じくPIXUS MP990で。Canon流のワイドサイズ(101.6×180.6mm)に設定してますが0.4mmくらい誤差でしょう。そもそもスキャンの時点で右端が欠けてるのと、フチなし印刷の仕様で少し欠けてるはずです。

参考までにKGサイズとの比較です。
 

KGサイズでも大きく感じるのですが、ハイビジョンサイズはさらに横に長いため、かなり大きいです。
大きい分、スキャン時に混入したホコリも目立ちます(´・ω:;.:...

Blu-rayからキャプチャして印刷すればいいじゃんと言われればそれまでなのですが、やってみると結構楽しいし、自分が貰ったフィルムが写真になって出てくると感動します。
自宅でフィルムスキャンが出来る環境の人はおすすめですのでぜひ。